ジェネリック医薬品関連銘柄とは
ジェネリック医薬品(後発医薬品)とは新薬の特許期間が満了後、厚生労働省の承認を得て製造、販売される薬の事を言います。新薬に比べて開発費が大幅に削減できる為新薬と同じ有効成分、同等の効き目でありながら薬の価格を低く抑える事が出来ます。
その為患者個人の負担する金額を低くする事に加え、年々膨張していく社会保障費の削減に繋がる事からも今後、政府が全面的に後押ししていく事が想定されます。
ジェネリック医薬品関連銘柄とはこのジェネリック医薬品を製造、開発している上場医薬品企業の事を指します。
ジェネリック医薬品の普及は国策
厚生労働省は2015年にジェネリック医薬品の普及目標を引き上げました。2020年度末までに80%とする意欲的な目標を掲げ注目を集めました。普及が目標通り進めば医療費の削減効果は20年度に1.3兆円となる事からもその効果は極めて大きいと言え、今後の普及拡大に注目です。
しかしジェネリック医薬品に抵抗感を持っている患者も多く、今後はジェネリック医薬品を調剤したときの診療報酬の加算を更に拡充するなどの対策が多く出てくるでしょう。
世界は先に進んでいる
上記の通り、ジェネリック医薬品の普及拡大に向けて政府が動き出している事もあってジェネリック医薬品の使用率は上がり、2014年度で52%となっております。
しかしこの数字は世界的にはまだまだ低い数字と言えます。世界に目を向けてみると
アメリカ 92%
ドイツ 83%
イギリス 73%
フランス 64%
となっており、先進国の中でも日本だけが突出して低いのが分かります。先進国の中でも最も少子高齢化が進んでいるだけで無く、社会保障費の上昇に歯止めが利かない事からも政府がジェネリック医薬品の普及拡大に舵を切るのは必然と言えます。
ジェネリック医薬品のメリット
価格が安い
最も大きなメリットがこれでしょう。効き目が同じで価格が低く購入できるのは患者側からしたら大きなメリットと言えます。
飲みやすい形、味に出来る
先発医薬品が飲みにくい剤形や大きなカプセルの場合は飲みやすい剤形にする事がジェネリック医薬品では可能となる事や味や大きさも工夫できます。
ジェネリック医薬品のデメリット
全ての成分が先発医薬品と同じとは限らない
有効成分そのものは同じですが、それ以外の物質を違うもので代用している可能性があります。
安全性試験が無い
ジェネリック医薬品には製薬会社での有効性試験はありますが、安全性の試験はありません。
ジェネリック医薬品の市場規模
富士経済が発表した市場調査結果によりますと、2014年のジェネリック医薬品市場規模は6766億円との事で2017年には9240億円にまで拡大するとの見通しがあります。政府による普及拡大策が今後も出てくれば上振れる可能性も高く、高成長が続く事が予想されます。
ジェネリック医薬品関連銘柄の本命
日本ケミファ【4539】
ジェネリック医薬品が売上高の8割を占める会社です。政府の後押しの恩恵を大きく受ける事から業績の拡大余地が大きい事や値動きが軽い事からも同社がジェネリック医薬品関連銘柄の本命銘柄と言えるでしょう。
ジェネリック医薬品関連銘柄
日医工【4541】
ジェネリック医薬品の大手です。病院、調剤薬局で高い採用実績があります。M&Aに積極的な会社として知られており、今後の動向には注目です。
東和薬品【4553】
国内シェア3位のジェネリック医薬品の大手企業です。開業医中心から薬局との取引の拡大に力を入れており、業績も拡大基調にあります。
トクヤマ【4043】
半導体用の多結晶シリコンで世界三大企業の一角です。同社はジェネリック医薬品の原薬開発に注力している事から関連銘柄として注目の企業と言えます。
キョーリン製薬HD【4569】
医薬の中堅企業です。同社はグループ会社のキョーリンメディオがジェネリック医薬品事業を展開しております。インドの後発薬大手と事業提携をしている事からも今後の業績拡大に期待です。
沢井製薬【4555】
ジェネリック医薬品の有力メーカです。テレビCM等も積極的に行っている事からも知名度が高く、連続増配を継続している優良企業です。
マナック【4364】
臭素化合物メーカーです。ジェネリック医薬品の開発に必要な有機薬品や医薬中間体などの原料の供給を行っている事から関連銘柄として目が離せない銘柄です。
日本調剤【3341】
関東甲信越の門前薬局が地盤の調剤2位の会社です。05年に日本ジェネリックを設立し、ジェネリック医薬品事業に本格参入、製造、販売を手掛けており急速に業績が伸びている事からも注目の銘柄です。