農業ICT関連銘柄とは

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まず、ICTとは何かについてですが、IT技術の総称を表します。ITとほぼ同じ意味になりますが、ITは主に経済の分野で使われる事が多いのに対してICTは主に公共事業の分野で使われる事が多いです。

農業ICTとは、農業にIT技術を活用しコスト削減、生産性の向上を図るものであり、ここから本格的な普及に期待のかかる分野です。2013年6月には安倍政権の成長戦略で2020年に農業水産物の輸出額を1兆円規模にするという方針が打ち出された事からも、農業が今までとは違い成長戦略の一分野を担う事から注目されております。

農業ICT関連銘柄とはこの農業のICT化に対して事業を展開している上場企業の事を指し、その中でも恩恵の大きい会社をご紹介します。

農業ICT化は国策

 きっかけはTPP

2015年秋にTPPが大筋合意をした事が大きな転機と言えます。これにより農産物の輸出輸入が活発になり、国内農家はコスト競争力を強化しなければ淘汰されてしまうからです。また高齢化による担い手不足も深刻な事から先端技術を活用した耕作の省力化や効率的な収穫への取り組みは早期に取り組みたい課題と言えるでしょう。

農業は国の行方を大きく左右する産業なだけに今までは農協という既得権益層がその立場を独占していた事や農家は政府からの補助金に頼った経営をしていただけに、この変化はどこかで受け入れなければいけない状態でした。その転機がTPPとなったわけですが、安倍政権になってからは農協改革等を目玉にした規制緩和を行う事を表明している事からここからの農業には大きなビジネスチャンスが眠っていると言えるでしょう。

農業ICT関連銘柄の市場規模

シードプランニングによりますと、2020年には農業ICT市場は580億円~600億円と2013年に比べて約9倍になるとの見通しを発表しております。その中でも農業クラウドサービスが大きく進展すると見ており、2013年度比で約28倍の伸びとなり、農業IT化市場の75%を占めるとされております。

農業ICT関連銘柄のメリット

 初心者でも農業を可能に

農業経営のに関する技術ノウハウや経験が無くても農業クラウド等を通じて従来よりも短い時間で技術を習得する事が可能となります。

低コストで生産可能

初期費用が低く抑える事が可能な事や作業の効率化等が図られる事から必要最低人数で作業が行えます。

品質の向上

ICTを導入する事によって生産管理手法、工程改善ノウハウ、作業データ等を全てクラウド内に保存する事が可能となります。その作業データ等から得られる収穫量や品質のデータを蓄積、分析する事によってよりおいしい農産物の生産が可能となります。

農業ICT関連銘柄のデメリット

 農地の確保

現在の農業ICTは大規模農家向けが中心となっており、農地の少ない日本にとっては不利な面があります。

ICT機器への理解

農業従事者は高齢者がメインの為、ICT機器に対する理解度不足や抵抗があります。

セキュリティの確保

長年の経験で培った栽培技術が漏洩する可能性があります。

農業ICT関連銘柄の本命

 大和コンピュータ【3816】

基幹系業務ソフトの2次請け開発会社です。同社は農業ICT事業に関して力を入れており、「ITで結ぶ農業『i-農業R』」をテーマに静岡県にて農作物の生産・販売と統合環境制御システムや流通トレーサビリティーシステムの構築など農業のICT化に取り組んでおります。また植物工場を手掛けるグリーンクロックスと資本提携した事からも、今後の更なる展開には期待大と言えます。時価総額も小さく値動きが軽い事からも買いを集めやすく、同社が農業ICT関連銘柄の本命銘柄と言えるでしょう。

農業ICT関連銘柄

コア【2359】

独立系のSIです。農業ICT化の対して積極的にシステム開発等を行っており、宮崎県に一般社団法人コアファームを設立しました。そこで、クラウド型サービスの利用した農業ビジネス向けソリューションや次世代農業(6次産業化)に取り組んでおり、関連銘柄としても注目度の高い銘柄と言えます。

ネポン【7985】

施設園芸用温風暖房機などの熱機器が主力の会社です。2014年にはNECと農業ICTクラウドサービスのハウス内機器制御機能を強化していく事を発表する等、農業ICT関連銘柄として目が離せない銘柄と言えます。

オプティム【3694】

スマホなどの端末管理ソフトをクラウドで提供しており、それが主力の会社です。佐賀大学農学部、佐賀県生産振興部と同社で連携し、ICT農業に共同で取り組んでいく事を2015年に発表しております。これにより研究開発を推進し、知材の構築などを行っていくとの事です。また同社はドローン関連、遠隔医療関連銘柄としても有名な銘柄であり、材料が豊富にある銘柄と言えるでしょう。

マミヤ・オーピー【7991】

パチンコ周辺機器が稼ぎ頭の会社です。同社は自立走行システムの開発に成功しており、このシステムではあらかじめ作成された経路を独自のアルゴリズムで機体を誘導する事が出来る、高精度で制御できるシステムとなっております。現在はゴルフ場の芝刈り作業車がメインとなっておりますが、今後は農業分野にも活用されていく事からも注目です。

キーウェア【3799】

総合システムサービスを手掛けている会社です。NECと密接な関係にあり、インフラ関連のシステム開発、構築、運用保守も手掛けております。同社は農業ICTソリューションサービス「オーガル」を提供しており、関連銘柄として注目されております。

セラク【6199】

ITインフラ構築、保守が主力の会社です。サイト、システムのカスタム開発も手掛けております。同社は施設農家向けの室内環境遠隔モニタリングシステム「みどりクラウド」を手掛けている事から農業ICT関連銘柄として注目されております。直近IPO銘柄である事からも人気化しやすく、注目しておくべき銘柄と言えるでしょう。

エージーピー【9377】

駐機中の航空機向けに電力供給をしている会社です。幹線空港の固定式電源でほぼ独占と圧倒的なシェアを誇ります。同社は2016年4月に植物工場による野菜の生産、販売を手掛けるエージーピーアグリテックを吸収合併する事を発表しており、関連銘柄入りした銘柄になります。既にこの植物工場では低カリウムレタスを出荷が開始されており、今後の更なる生産拡大に期待が高まります。

eBASE【3835】

商品情報管理ソフト「eBASE」を開発、販売している会社です。食品業界間でのトレーサビリティ用途が主軸です。同社は農産物の生産履歴管理システムを手掛けている事から需要拡大への期待が高い銘柄と言えます。

農業総合研究所【3541】

野菜、果物の直売所事業が主力の会社です。同社は「都市型農産物流通プラットフォーム」を提供している事から関連銘柄として注目されている銘柄です。

世界ではオランダが成功

日本政府が見本として見習おうとしているのがオランダです。同国の国土面積は九州と同程度になりますが、農産物の輸出高は米国についで世界第2位となっている農業大国なのです。

オランダは政府、民間企業、研究者が農業振興に向けて密接に協力している事が成功した大きな要因と言えます。農業予算に占める研究開発予算の割合を見ると、日本では約5%に対してオランダは約22%となっております。政府が研究開発に資金を投じてイノベーションを起こそうとしている姿勢が日本と大きな違いと言えるでしょう。

農業ICT化の今後の課題

農業と技術の融合を今よりも更に加速させる必要がある専門家は指摘します。また農業を産業として成り立たせる意識改革が必要とも言います。

農業は今まで作れば農協が買い取ってくれた事からも、戦後の古い制度を今まで続けてきた事からもこの意識改革がなりよりも大事になるでしょう。また政府は規制緩和により、民間企業が農業に参入しやすいように法を整備する事も必須でしょう。

農業は国の根幹をなす、大事な産業なだけに今まで変化を拒み続けて来ましたがTPPをきっかけに大きく変わる必要が出ました。ここからおきる農業改革のインパクトは大きく、株式市場のテーマとしても長期に渡って注目され続けるテーマとなるでしょう。