水素関連銘柄とは

2014-12-06_205313

 

2014年にトヨタが初の量産型セダンとして「MIRAI」を発表し、本格普及に向けて大きく前進した燃料電池車。本格普及にあたり燃料電池自動車関連の部品メーカ、水素ステーション関連企業にとっては大きな需要拡大が見込めます。

世界初の水素社会の実現に向けて、官民挙げての大プロジェクトなだけに今後水素関連銘柄が注目される回数は多いでしょう。

水素関連銘柄とは燃料電池や水素ステーションに関わる事業を行っている上場企業の事を指します。

水素社会は国策

政府は2013年12月に経済産業省が水素をエネルギー源として活用する「水素社会」の実現に向けたロードマップ作成に着手すると発表し、産官学のメンバーで構成する「水素・燃料電池戦略協議会」を発足させました。

また水素ステーションの建設やトヨタの「MIRAI」に対しては、国から大きな補助金が出る事も決まっており、普及に向けて政府が大きな力を入れている事が分かります。水素ステーションに関しては1基の建設に約5億円かかるうちの最大で2億8000万円を補助する事や更に経団連全体でバックアップしていくも表明されており、ここからの本格普及に期待が高まります。

水素関連の市場規模

160兆円市場の衝撃

水素をエネルギーとして利用する動きは日本だけに留まらず、世界各地で起きております。日経BPクリーンテック研究所が2013年に発行したレポートによりますと、世界の水素インフラの市場規模は2050年に160兆円になるとの事です。

しかし、2015年の市場規模は7兆円程度しか無く、本格的な普及は2030年以降とも言われております。今は液化水素基地やパイプラインなどの周辺インフラへの投資が最も大きな金額が使われているとの事です。

 先行は水素ステーション関連

調査会社の富士経済が発表した調査結果によりますと、政府が掲げた2015年度末までに4大首都圏を中心に100箇所を整備する計画が一年後ずれしております。補助事業が落ち着く関係で2016年~2020年までは新規建設が20件前後に留まるとされております。しかし2020年頃からは燃料電池車の量産モデルの販売が本格化してくれば、ここから一気に市場が拡大していくとの見通しが出されております。

車載機器関連は2020年度以降から

2020年度以降になると、水素発電や車載機器関連が拡大すると調査結果では出ております。水素発電は安価な水素の輸入が始まる事で大手事業者による水素サプライチェーンが確立するとの事です。車載機器関連に関しては、「東京五輪」を契機とした燃料電池車の普及に伴う需要増加を挙げております。

水素関連銘柄の本命

 宮入バルブ【6495】

LPG容器用バルブの老舗で業界2位の会社です。同社は中期経営計画に水素製造装置や水素ボンベ用の容器バルブの製品化等を盛り込んでいる事からも関連銘柄として物色されやすい銘柄と言えます。また2016年3月に開催される水素・燃料電池展に出展する事も決まっており、今後の製品展開には期待大の会社と言えます。加えて、同社は低位株かつ値動きが軽い事からも材料が出た際には最も早く買いが向かう事からも関連銘柄としては同社が本命と言えるでしょう。

水素関連銘柄

加地テック【6391】

石油化学など各種プラント向けに特殊ガス圧縮機を製造している会社です。同社は燃料電池用高圧水素ガスコンプレッサーを取り扱っている事から関連銘柄として個人投資家に人気が高い銘柄と言えます。

岩谷産業【8088】

産業、家庭用ガス専門商社です。水素ステーションに関しては会社を挙げて力を入れており、先行投資を続けていた会社です。2014年には日本で初となる商用水素ステーションを開設しました。ここから需要拡大が大きく伸びるだけに同社の注目度は関連銘柄の中でも高いと言えるでしょう。

新コスモス電機【6824】

同社は水素ステーション用ガス検知警報機等を手掛けており、関連銘柄として物色されやすい銘柄です。燃料電池車の普及には水素ステーションの建設増加が必要不可欠ですが、その安全対策上同社の製品が必要との事からも、目が離せない銘柄と言えるでしょう。

ハマイ【6497】

LPG容器用バルブでシェア4割を誇る首位の会社です。2015年には世界初となる社内水素タンクに取り付ける安全栓で世界規格適合品を開発した事からも、今後の需要拡大は必須と見ていいでしょう。また同社も水素・燃料電池展に出展する事が決まっている会社です。

オーバル【7727】

流量計等の流体計測機器の最大手の会社です。同社は燃料電池車用の水素ディスペンサー内の高圧水素流量計測を手掛けております。また日本の水素ステーションの半分に同社の流量計が採用している事からも水素ステーションの拡大の恩恵を大きく受ける銘柄です。

ニッポン高度紙工業【3891】

電気用絶縁用セパレータの専業大手です。燃料電池用の電解質膜を手掛けている事から関連銘柄入りです。まだ関連銘柄として知名度が低い事からも狙い目の銘柄と言えます。

2020年の東京五輪にはこうなる

東京都は低炭素都市を目指しており、都内の五輪会場で水素を積極的に活用する事を表明しております。メイン会場となる新国立競技場や中央区晴海に建設する選手村に燃料電池や燃焼装置を設置し、施設内の照明や冷暖房などに使う電力、温水を供給する燃料電池コージェネレーションを導入する計画です。

また競技会場と都心を結ぶ為に新たに燃料電池で走る乗用車やバスを積極的に導入する事も表明しており、普及を協力に推進していくでしょう。当然、これに伴い水素ステーションも2015年末時点で都内に7箇所しかありませんが、2020年までに35箇所に増やす計画です。

観光客の急増にも対応する為に陸上交通以外の交通手段も活用する事が今後は出てくると言えます。国土交通省などは燃料電池で航行する水上バスや屋形船を活用する事を検討しております。これを目当てにくる外国人観光客も出てくる事が想定され、人気を呼ぶ事が想定されます。

水素社会の今後の課題

水素社会の実現には水素ステーションの普及が最大の鍵となりますが、この普及に向けて乗り越えなければいけない課題があります。

設置時の規制緩和

水素は高い圧力をかけて、貯蔵・運搬される為、その取り扱いには高圧ガス保安法が適用されます。同法は水素を車に入れる装置を公道から8メートル以上はなす事を求めており、ガソリンスタンドに比べ水素^ステーションの建設にはより広い敷地が必要となります。

これはほんの一例ですが、政府が規制緩和をしないと厳しい部分が多くありここからの規制緩和に期待したいです。約30項目の規制緩和を業界団体が政府に申請する等、官民共同で大きく前に進めていく事が求められます。

水素ステーションの運営

初期段階では、推進企業による持ち出しが続きますが、その後の普及拡大には「水素ステーションプロバイダー」の存在が重要と指摘する専門家がいます。彼らがどのようにビジネスモデルを描けるかが、普及度合いに大きく影響を及ぼすとの事です。

水素関連銘柄のまとめ

日本は燃料電池分野の特許出願件数が世界一で2位以下を大きく引き離しております。日本が水素社会への道を世界に示す事が出来れば、そのモデルをそのまま海外へ輸出する事も出来るようになる為、水素から広がるビジネスチャンスは無限大と言えるでしょう。

テーマ株の中でも、長期で注目され続けるテーマなだけに関連銘柄の動向は常にチェックしておきたいです。