宇宙開発関連銘柄とは

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宇宙開発関連とは、人工衛星やロケットの運用や製造、地上の設備製造、部品や素材の製造等様々な分野に広がりを見せております。国際宇宙開発ステーション『きぼう』を例にとってみても、国内だけで約650社もの企業が携わっており、宇宙開発関連銘柄とはこういった分野に関わっている上場企業を指します。

またこの中でも最も市場が今後成長するであろう分野や業績への寄与度が大きい上場企業を取り上げていきます。

世界では民間企業のロケットが続々と打ち上げられる等、我々の想像を遥かに超える速度で進化してきております。長年の夢であった宇宙旅行も既にそこまで来ている言っても過言ではないでしょう。

宇宙開発は政府が後押しする成長産業

2015年12月8日に政府は安倍首相を本部長とする宇宙開発戦略本部で2024年度10年間の宇宙基本計画の工程を発表しました。

『人工衛星を使った船舶の監視や情報収集など、宇宙システムを安保目的により直接的に利用できるよう体制を整備する。今後10年間で衛星など最大45基を打ち上げる。宇宙関連産業を官民合わせて5兆円規模とする目標も盛り込んだ。』

※日経新聞より引用

注目するべき点としては、宇宙ビジネスを政府が成長戦略の中に組み込んだ事でしょう。これにより、宇宙開発事業は政府が進める国策になり関連企業への恩恵も大きなものになる事が想定されます。

また2016年3月には、新規参入を目指すベンチャー、中小企業、大企業や金融機関、大学関係者等の多様な参加者を巻き込み「スペース・ニューエコノミー創造ネットワーク(S-NET)」を立ち上げ、宇宙産業の将来像や政府支援の基本的視点を示す宇宙産業ビジョン(仮称)を16年前半に取りまとめる予定もあり、今後への展開には期待大と言えます。

地政学リスクを抑える働きにも期待

この宇宙開発には安保政策においても重要な位置づけとなっており、日米の安保面での宇宙協力を強化する目的もあります。

米国のGPSとの連携を深め、自衛隊の部隊運用に直接利用可能にする等地政学リスクを抑える面でも大きなメリットがあると言えるでしょう。

著名企業家も熱視線を送る

堀江貴文氏はライブドア時代から宇宙事業に邁進

同氏は偵察衛星、地球観測衛星を飛ばすロケットは太平洋が打ち上げに適しているとの考えを持っており、日本が地理的アドバンテージを活かせる数少ない分野がこの宇宙開発関連と指摘しております。

現在堀江氏は自身が創業した『インターステラテクノロジズ』の本社がある北海道の十勝地方にある大樹町に住民票を移した事で話題になりました。

このインターステラテクノロジズは宇宙空間の観測用ロケットや超小型衛星を地球周回低軌道に投入するロケット開発や人工衛星や実験用機器の宇宙空間への打ち上げ受託サービスを手掛けております。上記の通り、この市場規模は数十兆円クラスの産業創出になる可能性がある事から政府が後押しを決めた数少ない分野です。

また同社は商社大手である丸紅と業務提携した事からも徐々に民間企業からの注目が集まりだしている事も見逃せないでしょう。

勿論、未上場の会社ですが今後の展開には大いに注目するべきでしょう。

宇宙開発関連銘柄の本命

カーリットHD【4275】

同社は国内唯一となる「過塩素酸アンモニウム」を製造している会社です。この「過塩素酸アンモニウム」はロケット向けの固体推進薬の原料となる事から宇宙開発関連銘柄として物色されやすい銘柄です。国内だけでなく、販路を海外に広げれば更なる業績拡大に期待が出来る会社です。

宇宙開発関連銘柄

三菱重工【7011】

日本を代表する宇宙開発関連銘柄と言えます。日本の基幹ロケットであるH-IIAの打ち上げ輸送サービスを担当している事や宇宙ステーションの日本実験棟「きぼう」の開発、生産に携わる等、資金力、実績共にナンバーワンと言える会社です。

IHI【7013】

ロケットエンジンの心臓部となるターボポンプやガスジェット装置を提供している会社です。数々のロケット、衛星の打ち上げに携わっており、国際共同実験にも数多く実験システムを供給している事からも国内だけでなく、海外からの知名度も抜群の会社です。

丸紅【8002】

上記の通り、インターステラと業務提携を結んでおり宇宙ビジネスに積極的な会社と言えます。同社は米国の衛星製造会社、衛星機器製造会社の対日販売代理店を既に手掛けており、この提携をはじめ今後も宇宙ビジネスには国内外問わずネットワークを広げていく事を表明しており、ここからの展開には注目の会社と言えるでしょう。

セック【3741】

科学衛星や惑星探査機の搭載エンベデッドシステム、天体望遠鏡制御システム、これら観測データの解析システム、各種研究機関向けの技術アプリケーションを提供しています。開発実績の中には惑星探査機搭載エンベデッドシステム(『はやぶさ2』『はやぶさ』『あかつき』)や天体望遠鏡制御システム(『すばる望遠鏡』)等があり、実績も十分にある会社です。また次世代ロボット等も開発しており、材料が豊富にある会社です。

アイサンテクノロジー【4667】

同社というと自動運転関連銘柄としてのイメージが強いですが、順天頂衛星の開発等に関わっている事から宇宙開発関連銘柄としても要チェックです。12年10月に名古屋で開催された「2012年国際航空宇宙展」では、内閣府宇宙戦略室、独立行政法人宇宙航空研究開発機構JAXA、財団法人衛星測位利用推進センターSPAC、財団法人日本宇宙フォーラム事務局「iMES consortium」、と共同出展し、同社の持つ技術をアピールしております。これは自動運転への応用や衛星を使った測量技術サービスへの応用にも今後大きく繋がる事が考えられ、期待の大きい銘柄と言えます。

コア【2359】

車載やスマートデバイス向け組み込みソフトが主力の会社です。同社も自動運転関連としての側面が強いですが、GPSや順天頂衛星や衛星測位システムで各種送受信機やモジュールを手掛けている事からも宇宙関連銘柄としても物色されやすい銘柄と言えます。アイサンテクノロジー同様、旬なテーマに多く関わっている銘柄なだけに今後の株価には期待が高まります。

日本アビオニクス【6946】

同社が作る電子デバイス技術は品質面で高く評価されております。この電子デバイスは宇宙航空研究開発機構殿(JAXA)の認定されており、ハイブリッドICメーカとして人工衛星やロケットの信頼性の向上に貢献。さらに、電子デバイス技術の応用分野を拡大するために、高速・高周波用のハイブリッドICや高電力用のパワーハイブリッドICの開発に取り組んでおり、今後の需要拡大は必須です。

イーグル工業【6486】

宇宙機器用ガスフィルター、衛星用レギュレーターをはじめとし数多くの宇宙機器の部品を製造している会社です。同社が手掛ける部品は技術、信頼度が高く市場規模の拡大の影響を大きく受ける会社です。

明星電気【6709】

地震計等の気象、防災観測機器と人口衛生用観測機器が主力事業となっております。同社は観測機器を初めとする数多くの衛生搭載機器の納入実績がある事に加え温室効果ガス観測技術衛星「いぶき」を搭載したロケットにも同社の技術データ取得装置やモニタカメラの開発も行っており実績は十分にあると言えます。低位株で人気化しやすく宇宙開発関連銘柄の中でも特に注目しておくべき銘柄と言えます。

イメージワン【2667】

衛生画像の販売が起点。自社で開発手掛けている医療画像システムが主事業です。ドローン関連、遠隔医療関連、デジタル地図関連としても物色されている銘柄であり、材料が豊富にある銘柄と言えます。同社は衛生画像のデータを環境保全や防災対策などの幅広い分野で活用し、付加価値の高い技術で処理解析した商品や衛生画像ソリューションを提供している事からも宇宙開発関連銘柄としても注目しておくべき銘柄の一つと言えるでしょう。

日東製鋼【3524】

合繊製無結節網の最大手の会社です。魚網と漁労機器が主力となっております。同社はJAXAの依頼を受けて宇宙で使う導電性網状テザーと呼ばれるものの開発にJAXAと共同で取り組んでおります。この導電性テザーは利用済みあるいは故障した衛星やロケットなどを除去する「デブリ除去システム」に必須の資材である事からも宇宙開発関連銘柄として注目を集めており。関連銘柄の中でも注目しておくべき銘柄と言えるでしょう。

宇宙開発の今後の展望

日本は欧米に比べて宇宙開発は大きく遅れている

理由は簡単です。日本の宇宙プロジェクトは国家主導でやる事が多く官が主導であるからです。特に打ち上げ設備や衛星、ロケットなどのインフラに関わる部分のパイの大部分は三菱重工業や三菱電機、NECといった大手の宇宙関連企業が占めているのが現状です。逆にいうと、上記の通り政府が成長戦略の一環として宇宙開発を組み込んできた事から今後はベンチャー企業等のチャンスが多くなる事が間違いないでしょう。

日本の技術は一流

欧米に遅れている日本ではありますが、ここから巻き返しが出来ないかというとそうではありません。民間企業への裁量が増えれば今後コスト競争力や短納期化が見込め、欧米企業とも渡りあえる事が想定されます。そのためにも今後は民間企業が主体となり宇宙インフラ開発を進めていく必要があるでしょう。

またこの宇宙産業で培ってきた技術を他の産業に転用する好循環と一部では出てきております。例えば、ロケット打ち上げで培った高圧ガスや発電などのライフラインに係る事業の技術を活用・応用して、コスモテックは別府に地熱バイナリー発電所を設立しました。

こういった例が今後出てくれば日本全体の底上げにも繋がるでしょう。

宇宙旅行が身近なものに

宇宙開発関連は市場規模が年間10%以上の成長を見せる、数少ない成長産業です。今後は大手企業だけではなく、インターステラテクノロジズのようなベンチャー企業も沢山参入してくる事から競争は激しくなるのは間違いないでしょう。

しかし、競争が起きる事で価格が下がり、技術も進歩していくのでこの競争は歓迎すべき事です。

今では想像する事すら難しい宇宙旅行も数年後には、低価格で実現しているかも知れません。